独学ポルトガル語学習開始 Back to Brazil (5)

ポルトガル語のしくみ 今すぐ話せるブラジルポルトガル語 入門編 (東進ブックス―Oral Communication Training Series)

霊なんだから日本語を話してくれたっていいのにと、ちょっと思うんだけど、Dr.ハンセンはポルトガル語しか話さないらしい。それにケンジ君が行った時は英語を話せるスタッフもいなかったそうだ。うまく日本語を話せる日系人か英語を話せる人を見つけて通訳を頼めればいいんだけど、見つかるとも限らないのでポルトガル語の勉強をしていくことにした。

Dr.ハンセンの週1回の診療日には何百人という人が診療所に並ぶそうだが、何人の患者が集まろうが、彼は時間がきたから今日はここまでというようなことはせず、一人残らず診るそうだ。その中には治すことが出来ない人、薬で治るので処方箋を書くだけの人も含まれるが、昼ごろから始めた診療が夜の12時過ぎまで続くこともあるらしい。

なので一人の患者としてDr.ハンセンと話しができる時間はものすごく限られたものになると思う。どのくらいの時間話しをすることができるかはわからないけど、ただでさえ短い時間が、通訳を介して話しをするとさらに半分になってしまう。どちらにしてもポルトガル語を話せるようになっておいて損はないのだ。


ポルトガル語の勉強を始めるにあたって、ママぞうに2冊の本を持ってきてもらった。

1冊目の「ポルトガル語のしくみ」は同シリーズの「スペイン語のしくみ」を読んで、良かったので今回も読んでみることにして。「しくみ」とは文法のことに他ならないんだけど、このシリーズのいいところはそれを難しい文法用語を使わずに説明している点にある。これは文法の説明をしている本だということに気づかずに最後まで読み進む読者もいるのではないかと思えるほどである。この本を1冊読んでだいたいの「しくみ」を把握すると、後でちゃんと文法を勉強したいと思って詳しい文法書を買ったとしても、それを1冊丸々読む必要はなくなり、必要なところだけど拾って読むということができるようになるのである。

そう思って持ってきてもらったんだけどこの本、まえがきに、

なお, 日本ではブラジルのポルトガル語に関する入門書が圧倒的に多いのですが, この本はポルトガルポルトガル語に関して説明しています.

とある。そして本文のコラムに、

ポルトガルポルトガル語とブラジルのポルトガル語, その違いはちょっと発音を聞いただけでも十分にわかりますが, それ以外に, 語彙のレベルでも文法面でも異なります.

とあるじゃないか。がび〜ん。僕が行くのはブラジル。本屋で手にとって選ぶことができてれば、事前に気付くことができたのに。

でもまあせっかく持ってきてもらったんだしと思い、ひと通り読んでみた。で、読んでみてわかったこと。(ポルトガルの)ポルトガル語のおおまかな「しくみ」はスペイン語とあまり変わらない。そして細かい違いをみていこうとしたらこの本では十分でない。つまり、スペイン語の学習経験があり、おおまかなスペイン語の「しくみ」を理解している僕にとってこの本はあまり読む意味がなかったってことだ。がび〜ん。いや、それがわかっただけでもよしとしよう。それに、やはりスペイン語ポルトガル語は似ているということが確認できたことは大きいかもしれない。

というのは僕が南米旅行中、ブラジルに行く前に、ポルトガル語スペイン語と似ているからスペイン語が話せればブラジルでも何とかなるよ、という人が結構いたのに、実際に行ってみた感想が「何ともなんないじゃねえか」というものだったからだ。ブラジル人に対し、スペイン語ポルトガル語風に発音すると理解してもらえる場合もあることは確かだが、相手から返ってくるポルトガル語を僕はほとんど理解できなかった。もちろんスペイン語とブラジル旅行中に覚えていった少々のポルトガル語で「何とかなった」ことは確かだが、それは初めて海外一人旅をする人に「英語なんて話せなくても何とかなるよ」と言う時の「何とかなる」と同じレベルの「何とかなった」である。

ともかく、この本を読んで、字面だけをみるとスペイン語ポルトガル語が似ていることがわかった。書くと似ているのに、聴いてみてちんぷんかんぷんだったってことはつまり、発音の仕方が異なり、それに慣れることが重要なポイントになるのではないか、ということが見えてきた。


2冊目の「今すぐ話せるブラジルポルトガル語 入門編」も同シリーズのスペイン語版をスペイン語を勉強する時に使ったものだ。こちらは会話の入門書なら何でもよかったんだが、本屋で中をみて選ぶことができない状況で大きく失敗したくなかったので、以前使ったことのある無難なやつを選んだ。こちらはあまり細かいことは考えずに、ポルトガル語をセンテンス単位、ダイアログ単位で丸暗記するという学習方法で使っていこうと思う。そして付録のCDを聴きまくろう。


スペイン語の下地があるとはいえ、所詮2ヶ月の付け焼刃、どこまで通用するかはわからないけど、やるだけやってみようと思う。