トリツカレ男
- 作者: いしいしんじ
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/03/28
- メディア: 文庫
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「なにかに本気でとりつかれるってことはさ、みんなが考えてるほど、ばかげたことじゃあないと思うよ」
「そうかい?」
「うん」
とハツカネズミ。
「そりゃもちろん、だいたいが時間のむだ、物笑いのたね、役立たずのごみでおわっちまうだろうけれど、でも、きみが本気をつづけるなら、いずれなにかちょっとしたことで、むくわれることはあるんだと思う」
と、ハツカネズミが予言した通り、ものがたりは奇跡的な結末を迎える。
こういうのをファンタジーっていうんだと思う。エミール・クストリッツァもそう。ポール・トーマス・アンダーソンの何ていったっけ、「パンチドランク・ラブ」だ、もそう。松本大洋の漫画もそう。こういうファンタジーは好きだな。