Dr.ハンセン手術見学日記 (2)

  8月 10日
今日はまずいつものように背骨に沿って針を刺す手術を1件(2件だっけか?)やって、鼻の手術が2件あった。患者が鼻の病気かはわからないけど、Dr.ハンセンはガーゼを巻きつけた手術用の小さなハサミをおもむろに患者の鼻の穴に入れると、一気に奥まで突き刺した。1人目の患者はハサミを鼻に突き刺された瞬間頭をガクガクふるわせ痛がっているように見えたが、声は一切あげてなかった。しばらくDr.ハンセンが大丈夫だからというようになだめていると患者は落ち着いた。それからその患者は脇にやられ、次の患者の番になった。次の患者も鼻の穴にハサミを突き刺されるまでは同じだったが、それからDr.ハンセンはハサミをぐりぐりと回転させていた。今度の患者は全く痛がってなかった。それからこの患者も脇にやられ、2人ともDr.ハンセンが今日の全ての手術と治療を終えてからハサミを抜かれていた。

後でこの鼻の手術のことをフェルナンダに話したらホーメスも同じように鼻にハサミを刺される手術を受けたことがあると言った。ホーメスはその時鼻で呼吸ができなかったそうだ。(蓄膿症かなんかだろうか)

鼻の手術の後は背骨に沿って針を刺す手術が1件、心臓のまわりに針を刺す手術を1件やって、次に目の手術をやった。目の手術は以前見たのと同様で、目の中に指を突っ込みぐりぐりこするというものだった。相変わらずDr.ハンセンの人差し指は患者の目の中に第一関節ぐらいまで埋没しているのに患者は全く痛がっていなかった。

その後患者にややしめったガーゼを当てて、Dr.ハンセンとザヒーアが患者に手を当てるだけの治療が数件あって、小さな少年の治療の番になった。少年の治療もガーゼを当てて手を当てるだけの治療だったが、母親と思われる人が少年のベッドに頭をつけて治療の間じゅう祈っていたのが印象的だった。治療が終わった後Dr.ハンセンが何か両親に話しをして、少年と両親は奥の部屋に連れて行かれた。ザヒーアとザヒーアの娘さんと、手伝いに来ているDr.ネルソンの秘書の女の人が泣いていた。手術を手伝っている周りにいた人もみな目に涙を浮かべていた。少年の両親にDr.ハンセンが何かを告げ、その内容を聞いてみなが涙していたように見えた。

後で聞いた話しによると、少年は5歳にして脳に腫瘍があることがわかったそうだ。みなが泣いていたということはDr.ハンセンにも治せないのだろうか?

その少年の治療の後に同じくガーゼを当ててDr.ハンセンとザヒーアが手を当てるだけの治療が2〜3人の患者に対して行われて、今日の公開手術は終わった。


  8月 17日
今日の手術は今までで一番少なく、30分ぐらいで公開手術は終わってしまった。世界は平和に向かっているのだろうか。

最初の患者は背骨に沿って針を刺して終わり。首から腰まで約3cm間隔。次の患者は首に集中して針を刺されて終わり。次の患者は目の手術。まずDr.ハンセンが目に指を入れ少しこすってから、目の白目の膜だか筋だかをハサミとピンセットで取り除くという、前に見たのと同じもの。次は首に集中して針を刺す手術。その後しめったガーゼを患者の体に当てて、手を当てる治療が2件で今日は終了。