花終る闇

花終る闇

花終る闇

濃い金色のスープは柔らかくて、むっちりと張りきり、豊かに含むところがあって、夏の海辺の夕日を思わせた。牛の背肉は表面がちょっと焦げかかっているのに切ると淡い肉汁が皿に流れ、崖のような切断面には暗い血から明るい薔薇色までのさまざまな赤が雲のようにあらわれていて、ぴんぴんと葉のたった新鮮な、冷たいクレソンのほろにがさが巧みに協力してくれた。

開高節っていうんですか。こういうねっとりとした文体でこういうことを書かれるとお腹がぐぅーと鳴ってしまうのです。

いしいしんじごはん日記*1も読むとぐぅーとなります。