動物の鳴き声各国語

砂漠ツアーの2日目、砂漠の中での夕食の時に、ひょんなことからそれぞれの国の動物の鳴き声を比較することになった。

その時同じテーブルにはイギリス人2人、ドイツ人2人と僕の5人がいた。イギリス、ドイツではネコが「ミュー」と鳴き、にわとりが「クック・ドゥル・ドゥー」と鳴く。中学の時の英語の授業で、似たようなことを学んだ覚えがあるし、彼らの言語での鳴き声は実際の鳴き声とそお遠く離れていない納得できる範囲のものだと僕は思ったのだが、彼らにとっての日本語の鳴き声はそうではなかったらしい。僕が日本語ではネコが「ニャー」と鳴き、にわとりが「コケコッコー」と鳴くと言ったら大いに驚かれた。

かくしてこの言語ゲームは、イギリスでは何々、ドイツでは何々と言い合い「へー、違うねー」と軽く盛り上がり、そして「日本は?」と皆が一斉に僕の方を向く。そこで一発僕が「ニャー」とか「ワンワン」とか答えると笑いが起きるというリズムで進行された。

ネコ、にわとり、犬、猿、ひつじ、ハト、ゾウなど思いつく限りの動物の鳴き声を比べ合ったが、一番彼らに受けたのは馬の鳴き声だった。

イギリス、ドイツでは馬は「ヒーン」とかそんなような鳴き声で鳴くようだった。日本では「ヒヒーン」だと言うと何故か皆大笑い。おかしいなと思い、これは馬が普通にしている時ではなくて「パカラッ、パカラッ、パカラッ」と走って、止まる時に「ヒヒーン」と鳴くと、手綱を握るジェスチャー付きで説明したらさらに大笑い。皆涙を流さん勢いで笑っている。こんなにも腹の底から人に笑われたのは人生で初かもしれない。でもなんか妙な快感があった。


その前のガイドの話、朝起きるとラクダがいなくなっていたところで腹の底から笑い、馬の鳴き声で腹の底から笑われ、何だかとっても楽しい砂漠ツアーだった。