インドだけどロシア

気付けばそこにはロシア人9人。日本人1人。つまりオレ。彼らがロシア語しか話さなくなってからだいぶ時間がたつが、不思議とそこにいることが苦ではない。全く意味のわからないロシア語の響きは耳に優しく、彼らの表情は皆おだやかだ。

そこに座っている彼は浦沢直樹の漫画にロシア人マフィア役で出てきそうだな。こっちの女の子は日本でのコンサートをどてキャンして大騒ぎになった2人組みの歌手、名前なんだっけ、の片方に似てるな。こっちのおさげの女の子は知性と野性を併せもった魅力的なこだな。とか考えながらぼーっと彼らを観察するでもなく過ごした。

この日はロシア人のひとりの誕生日で、ロシア人のアントンはことあるごとに「今日は特別な日だから」ということを繰り返していた。いい友達だな。こうやってみんなでインドにこれるなんていい仲間だなと思った。

ひとつロシア語を覚えた。スパシーバ(ありがとう)。何とか知ってるロシア語の単語をあげてコミュニケーションをはかろうと、ひねり出した言葉「ストリチナヤ・ウォッカ」は彼らには通じなかった。ぐすん。