拾う神といえば(1ユーロ=148.17円)

スペインのジェラート屋にて、アイスを頼んでお金を財布から出そうとしている途中に友達に話しかけられそっちに気が取られている女の人がいて、その財布から10ユーロ札が風に飛ばされ約2m風下にいた僕の手の中にすっぽりと納まるというミラクルがあったことを思い出した。

彼女は全くそのことに気づいていなかった。その時僕はかなり長い間(30秒ぐらい)迷ったが、結局その10ユーロ札をポケットに入れた。

だって、その10ユーロ札はあまりにも見事に彼女の財布を離れ、彼女はまだ友達とのおしゃべりに夢中で、「もしもし、今あなたの財布から10ユーロ札が風に飛ばされて僕の手の中に入ってきました」と言ってもとうてい信じてもらえない気がしたんだもん。

「何言ってるんですか。そんなことあるわけないじゃないですか」と怪訝な顔をされるよりも、何事もなく10ユーロもらってしれーっと去る方がいい。彼女だって自分の財布から10ユーロが消えていることにおそらく気づかないだろう。そのくらいのミラクルさだった。