沈没よりチンボラソ

ケツァルテナンゴにきて早くも2週間が経った。最初はこんな何もない所で退屈すると思ったけど、退屈な生活は退屈な生活で慣れてしまえるもんだ。慣れてしまえば早いもんであっという間に時が経っていく。一箇所に長期滞在する人の気持ちが少しわかる気がする。気を付けなくては。ちょっとゆっくりしようと思って気付けば一ヶ月なんてことにはなりたくない。無目的にただ安いからという理由で沈没していたら、時間とお金の無駄だ。もちろん一ヶ月だらだらして初めて見えてくるものだってあるだろうけど、今はそう思う。

電子辞書の広辞苑で「沈没」という意味を調べてみた。

①水中に沈むこと。特に、船舶が水面下に没すること。
②酔ったり眠ったりして正体を失うこと。
③遊びほうけて遊郭などに泊まりこむこと。

バックパッカーが一箇所に長期滞在することを何故「沈没する」と言うようになったのだろうと思って調べたんだけど、その次の言葉に

チンボラソ【Chimborazo】
南米エクアドル中部、アンデス山脈中の火山。標高6310メートル。赤道直下に位置するが、山頂部は氷河に覆われる。

というのが載っていた。わーお、赤道直下に6000メートル級、山頂に氷河なんてキリマンジャロと一緒だ。「沈没」の由来なんてどうでもよくなった。「沈没よりチンボラソ」、響きも前向きだ。