No entiendo.

2005年10月12日、つまりメキシコ3日目(出発から3日目)の日記より。

夕食を食べたレストランで店のおばちゃんにスペイン語で話しかけられた。足が悪いらしく、その足に効く薬が日本でしか手に入らないらしいことを涙ながらに訴えられた。もちろんもっと色々な事を言っていたのだろうけど、僕のスペイン語力ではそれだけしか分からなかった。スペイン語の話せる友達を連れて来いと言われた。
言葉が分かるってことは楽しいことだけじゃない。もし僕が今現在スペイン語がペラペラだったとして、僕は彼女に何をしてあげられるだろうか?日本に帰ったら薬を送ってくれと言われたのかもしれない。でも日本に帰るのは1年以上先だ。中途半端に関わるのはよくない。もうその店には行かない方がいいだろう。安くておいしい店だったのに残念だ。

知らない言葉がわかるようになるということは、今まで唯の音声にしか過ぎなかったものが、意味を持って頭の中に入ってくる事を意味する。耳を塞ぎたくなるような話が聞こえてくる事になるかもしれない。覚悟を決めねばだ。