無音でぴょこぴょこ

ヴィパッサナー瞑想の10日間コースに参加している時に、何日目かは忘れたけど、体長(足を閉じた状態で)4〜5cmくらいのカエルが僕の部屋にやってくるようになった。

最初は驚いてすぐに追い出したんだけど、次の日もやってきたので、ま、特に悪さをするわけじゃないからいっかと思いほっておくことにした。

そのカエルは夜暗くなるとドアの隙間からやってきて、僕の部屋を横切り、奥のバスルームの排水溝の近くにじっとうずくまり動かなくなる。朝、夜が明ける前、僕が瞑想に出かける時もたいていそこにいるが、夜が明けて部屋に戻るといなくなっている。

ある晩ドアの隙間からやってきて部屋を横切るカエルを見ていると、これが意外におもしろい。本当にぴょこん、ぴょこんと跳ねるのだ。でも床はタイル張りのため全く音がしない。ぴょこん、ぴょこんと音が聞こえそうなくらいなのに無音なのだ。

そもそも擬態語とは聴覚以外の感覚印象をことばで表した語なので、音がしないのは当たり前なのだが、なんだかこの無音でぴょこぴょこ跳ねる姿が妙にかわいらしく、心が癒されてしまった。