モヒートを飲んで

終わってみればなんだかんだいって楽しかったな、キューバは。2005年12月9日、キューバ最終日の日記より。

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それから、最後にうまいモヒートが飲みたいと思い、一番最初にキューバでモヒートを飲んだ店に行ってモヒートを飲んだ。うまかった。これだ、と思った。カウンターに座って作り方を見ていたが、まずグラスにコーヒーに入れるような砂糖をスプーン一杯ぐらいとソーダを入れ、スプーンでかき回して砂糖を溶かし、その後ミント、ラム、氷を入れていたと思う。ちょっと砂糖がジャリっと口に残るぐらいが丁度いい。この店はハバナ初日にチンピラ・フーリオにモヒートをおごらされた店だが、今日ここでこのうまいモヒートを飲んですべてを許せる気がした。このうまいモヒートを飲ませる店を教えてくれたからそれですべてチャラだ。そう思えた。
トリニダからハバナのバスで日本人のパッカー(名前は聞きそびれた)に会った。その人によるとキューバでは、タバコや葉巻、おそらく食料も配給される制度があるり、学校、病院等はすべてただで、1万5千円ぐらいで家を半永久的に借りられ、よって最低限の生活は保障されている、そういう国らしい。社会主義の国っていまいちよくわからないんですけど、国民全員が公務員っていうイメージでいいんすかね?という問いに対する答えだった。なるほど。夕食後に公園でたたずみつつ、幸せって何だろうって思った。さっきのキューバでの配給などの話に、カサ・デ・トローバで年配のキューバ人夫婦が音楽に合わせて二人寄り添って踊る姿がフラッシュバックし、ふとそんなことを考えた。日本の終身雇用制も案外、というかかなり素晴らしいことなのではないかとも思った。チェ・ゲバラカストロが革命時に思い描いた国に、今のキューバはなっているのかい?半分は成功したのではないかと思う。そう感じた。